宇宙からの脱出 Marooned

人類が宇宙に進出してさほど遠くない時代。正確には1970年代のお話。
地球の低軌道を回るスカイブライクな宇宙ステーションを建設中。長期間にわたっての作業に疲弊したパイロットたちを地球に帰還させようとするが、逆噴射ロケットが機能せず、3人は軌道上に取り残されたままになる。

このままでは酸素がなくなるので、NASAはあらゆる可能性を考慮してパイロットたちの回収作戦を始める。しかしおりしも、ロケット打ち上げ場のケープカナベラルには超大型ハリケーンが襲来。救助艇の発射さえおぼつかなくなる。

 

 

 

 

 

 

 

wiki 日本語解説 | 英語解説

ミステリーサイエンスシアター3000でのご紹介。

一本もの MST3k 401 – Space Travelers

削除された重要なシーン

TV番組で紹介された映画なので、かなりの部分が削除されています。
そもそも題名さえMaroonedなのにスペーストラベラーに変わっています。

キース博士がパトカーに追い回されるシーン

打ち上げ主任のキース博士が自宅からミッションコントロールに出向く最中にパトカーに捕まります。
NASAの有人飛行計画で忙しかったらしく、5年間も免許更新をしておらず、地元の警察に足止めされますが、そのパトカーに直接大統領から無線が入り、
「有人宇宙開発計画の予算に対して大衆の支持が失われるので、金額は関係ない。必要なものはなんでも提供する。とにかく3人のパイロットを救出してくれ」と明言します。

その場にいた警察官は大統領命令に凍りつき、免許のことなど棚上げして、そのまま発射場まで博士を護送します。

キース博士が発射工程を省くシーン

上層部の打ち合わせでは、酸素欠乏になる時間まで、救助用の宇宙船を打ち上げることが不可能なので、キース博士は一貫して救助活動を否定します。なにも見殺しにしたいわけではなくて、物理的に無理だからです。しかし地上で後方支援をしていた同じパイロット仲間のドハティ飛行士が空軍のリフティングボディを弾道ミサイル用ロケットにくくりつければ救助に行けるという可能性を示したあと、こんどはなんとしても助け出すために動き出します。

上記の発射場にパトカーの護衛つきで乗り付けたキース博士は、打ち上げまでの時間を短縮するために、できる限りのチェック工程を省くように現場責任者に申し伝えます。

タイタンⅢC打ち上げシーン

ドハティーの目論見どおり、最短時間で発射準備が整いましたが、ハリケーンが襲来しており打ち上げできません。しかしいっときハリケーンの目に入ったことで無風状態が訪れます。そのすきを突いて、ドハティーはタイタンⅢCで大気圏外に飛び出します。大統領命令で失敗することが許されない状態なので、ミッションコントロールの天才たちはみんな口々にゴー、ゴー、ゴー、ゴーと応援します。

冷静な人物の代名詞ストーン

ジェームズ・フランシスカスが演じる宇宙飛行士はどんな場合にも冷静に振舞います。とうとう酸素が切れてきて、もうだめだというときにさえ、
「無酸素症か、なかなか興味深い死に方だ」 と呟いています。

このように冷静なキャラの役名はストーンと名づけられることが多く、ストーン・コールド = 石のようにクール から来ているものです。

MMU 有人機動ユニット

救出ミッションでソビエトの飛行士は、宇宙銃を使っているのに対して、ドハティーは MMU = マン マヌーバリングユニットを使っています。

MMUは背中に背負子のように装着する機動ユニットで、ガス噴射をすることで、任意の方向に機動することができます。

MMUは1984年にスペースシャトルで故障した人工衛星を捕まえるために使われたのが最初ですが、その前身は1966年のASU = アストロノート・マヌーバリングユニットで、1966年のジェミニ9Aでテスト予定でした。しかしパイロットが疲れ果てて頓挫しています。

その後のアポロ計画とスカイラブ計画ではEVA = イクストラ・ビーキュラー・アクティビティー = 船外活動で使う必要性がなく、結局1984年のスペースシャトルにて、改良されたMMUが使われることになります。しかしながら、実用的ではないために、廃れてしまったというお話のようです。

実際にスペースシャトルが打ち上げられる前の70年代当時から、広報活動にも露出しており、日本の学習雑誌にポスターとして登場したこともありました。

wikiより宇宙遊泳

リフティングボディ

ドハティーが救助に行くのは、空軍のリフティングボディ X-RV。
リフティングボディは開発用の中間産物で、後にスペースシャトルやスカンクワークスの全翼機として結実します。

wikiよりリフティングボディ

600万ドルの男 THE SIX MILLION DOLLAR MAN

 

月面着陸経験のあるスティーブ・オースティン空軍大佐が、リフティングボディHL-10の滑空飛行中に墜落。
命だけは取り留めたものの、両足・右腕・左目を損傷。一時は立ち上がることさえできなかったところに、科学情報部から許可がおりて人体改造手術が行われる。題名はそのときの費用総額から。

当時の最新技術を統合した発想をベースに、人間ドラマも細かに描かれたことで、とても人気のある番組でした。

実際にテスト飛行をやっていたのはニール・アームストロングなど超高速飛行本部の命知らずたちで、後で人類初の月面着陸にも成功しています。

この番組は、そうとうな反響があったので、女性版のバイオニックジェミーも作られました。田島令子さんが吹き替えをやっており、国内外でも大人気。華やかなコスプレ物になって、分かりにくい面もありますが、今まで植物人間に近かった身体障害者が、通常の運動能力はおろか、時速100kmで走行できる状態に復帰できたというだけでも、感動物としての要素があります。

600万ドルの男 (Pilot)

毎週活躍するスティーブ大佐ですが、人体改造手術を受けた直後はかなり混乱していました。

つまり、このころは、東西冷戦の時代で、宇宙開発や生体工学など、敵対陣営の鼻をあかすためには、膨大な予算をつぎ込むことができたというわけですね。

4 replies on “宇宙からの脱出 Marooned”

    • admin on

      Marooned is great movie.
      If you are yanger age, Please check this one.
      It’s really A movie.
      Thanks.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください