未知との遭遇 Close Encounters of the Third Kind 1977
未知との遭遇はスピルバーグ監督のすごい映画。
「一度見たらおなか一杯になって、あと三年は見なくても良い映画だ」と、かの松本零士先生もおっしゃってました。
主演のリチャード・ドレイファスは、もともと天才肌の俳優だとしても、渋いところでボブ・バラバン(通訳の地理学者役)とか、ランス・ヘンリクセンとか、後にカルトとなるような、とんでもない俳優さんが、わんさか出ています。
ちなみにドレイファスは、最近ピラニア2Dで食われていました。
ジョーズはみごとに退散させたものの、やっぱりピラニアにはかなわなかったようです。
ヒロインのメリンダ・ディロンはこの一作で惚れてしまいましたが、その後映画では見たことはありません。
本作の直後に台頭中のスタローンの映画に出ていましたが、予告だけ見て本編は見ませんでした。
いまから35年くらい前の映像ですが、二人とも元気はつらつ未来への希望に燃えているという雰囲気ですね。
フランソワ・トリュフォーは本職は映画監督で、ブラッドベリー原作の華氏451だけは監督したものの、SF映画は身の毛もよだつほど嫌いな人でした。いまから思うに50年代に作られた粗製乱造の様子を見ていてうんざりしたのでしょう。
でスピルバーグが説得しての成果なのか、この映画ではきわめて重要なキーマンとして主演しています。
SF嫌いの映画監督しかも大御所をそこに登場させることにどんな意味があったのか、どうも腑に落ちませんが、この映画を通してトリフォーを知った次第です。
上の画像は接近してくるマザーシップを出迎えるため、そこに居るほとんど全員がサングラスをして見上げているシーンです。
実は金星ロケット発進すでも同様のお迎えシーンがあり、スピルバーグはそれを含むいくつかのシーン転用を試みています。
トリフォーを起用したのはSFは見ないという評判なので、シーンのパクり、ネタ基である十戒の筋書きのパクりについて、うだうだと、うるさいことを言わないという読みがあったからかもしれません。
ボブ・バラバンは本作を含むいくつものカルト映画に登場しています。
とくに84年の2010ではハル9000を開発したチャンドラ博士役でピタッとはまっていました。
このオヤジさんが出てくると、視聴者側にこれは本物だという意識が浮かんでくる作用があるらしく、とても現実的な作品に仕上がります。
最近のIMDbの写真を見ますと、レイダーズに出てきたナチスのスパイみたいないでたちですね。