
アタック・オブ・ザ・ジャイアント・ケーキ The Attack of The Giant Maussaka 1999
アタック・オブ・ザ・ジャイアント・ケーキは、ギリシアのカルト映画。
しょっぱなからゲイの連発で、すこし気味悪くなりますが、BGMが印象的でけっこうハマってしまいます。
原題はギリシャ語で、
Η Επ?θεση του Γιγαντια?ου Μουσακ?
wikiより アタック・オブ・ザ・ジャイアント・ケーキ
宇宙から来た美人宇宙人がギリシア上空で妙な光線を発射すると、ムサカが巨大なモンスターに変身してしまいます。
ネタがネタなので、フランスと日本でしか公開されていません。
でも、見ようによってはスピルバーグの宇宙戦争よりも、面白い作品です。
ちなみに太ったデザイナーのヒロイン、タラを演じているのはヤニス・アンジェラキスで男性です。
途中でTVを見ている夫婦のうち、右側のおっさんとして出てきます。
ムサカって、なによ? What is maussaka?
ムサカとはこんな食い物だそうです。
わたしもう耐えられないはユリーシャの原型か?
世間がムサカで大騒ぎしているときに、無神経にも夕食にムサカを作ってしまったお母さんが、前髪に左手を絡ませながら、「わたしもう耐えられない」と言い出すシーンがあります。
日本語の吹き替えでは、タラと同じ声優さんがやっていますね。
この動作は、後で宇宙戦艦ヤマト2199に出てくるユリーシャが右手で髪の毛をまくくせの原型ではないでしょうか? いやマサカ。
世界5分前仮説
ムサカが出てからTV討論会で自殺をする野党議員のおばさんが居ます。
野党らしく、不条理なことを並べ立てて、それは全て政府の責任とばかりに責任転嫁をしています。
このおばさんが述べている、
「世界は10分後に滅亡する・・・」という話は世界五分前仮説を踏まえた脚本でしょうか? そんなことは無いでしょう。
Wikiより世界五分前仮説
すがすがしいラストシーン
レズビアン・ゲイ映画であること。
それを暗に助長するために、出てくるモンスターがムサカというこってりした食い物であること。
つまり内容はゴタゴタのはずなのに、ところどころ聞こえてくるジャン・ミッシェル・ジャールのような、未来的なBGMと、金曜日の夜に遊びに行って土曜の明け方に帰ってくるような編集のおかげで、ラストシーンは妙にすがすがしい感じがします。
制御不能な巨大物体の恐怖
ギリシャ史上最年少の大臣と政府お抱えの科学者の会話から引用してみます。
「脅すつもりはありませんが、われわれは今、ムサカという想像を超えた脅威に直面しています。
巨大にして正体不明、それだけに魅力的です」
この映画は、只のスラップスティックかと思っていましたが、人間が理解できない事象を不安がり、支配したがるという性質を漂わせているところは、ハーマン・メルヴィルの白鯨やグレゴリイ・ベンフォードのアレフの彼方を想起させます。原作者がそこまで考えていたかどうかはさっぱり分かりません。