
海獣ビヒモス Behemoth the Sea Monster 1959
海獣ビヒモスは、1959の英米SF映画。
原題はBehemoth the Sea Monsterですが、The Giant Behemothとしても知られています。
放射能を浴びて登場した四足のやばい香具師が出てきます。
年代的に1953の原子怪獣現るや、1954のゴジラよりも後の作品ですが、
- 放射能
- ド田舎の漁村で兆候
- 怪獣そのものはなかなか出てこない
など、ビンテージモンスターの王道を踏まえた超有名作品です。
Behemothとは
ビヘイモス = Behemothとは、聖書に出てくるこの世の終わりをもたらすモンスターのことで、本作でも漁村の娘さんが説明に及びますが、類似のシーンはワイバーンでも取り上げられています。
この科学者が、ヒラメのムニエルを作ってくれます。
放射能アタック
以下の画像はビヘイモスが放射能を出しているところです。
頭の周りに渦を巻いているのが放射能で、ゴジラのような口からゲロを吹き出す方式ではありません。
ビヘイモスが放射能で悪さしたあと、被害者の周りを取り巻いていた特殊効果が吐けると、なぜか書割に代わってしまいます。
初期の被災者表現
怪獣映画の黎明期、その被災者を表現する方法は、まだ手探りだったようですね。
38′ くらいのシーンでは、田舎のとっつぁんと、その息子がビヘイモスにやられるシーンがあります。
息子役の俳優は、子供なのでシーン概要に対しては、理詰めで理解する大人よりも想像力ですぐに納得するのでしょうが、いかんせん演技力がありません。
苦痛にゆがむ顔の意図が、たんにまぶしそうな顔をして後ろ向きにぶったおれます。
その際ケガをしないように、ご丁寧にワラまで詰まれています。
しかしながら、1時間を越えたあたりから大量のエキストラを使って、街中を逃げ惑うモブ = 群集シーンは圧巻です。
今ですと、これだけ人を集める予算が組めるのかどうかも怪しい状態です。
そして、1:03くらいから、街角で追い詰められたお年寄り、多分逃げ足が遅いということで年配者が餌食となるのでしょうが、ポカンと口をあけている爺様と、その背後のバアサン、そしてバアサンの手をとっている壮年のおっさん、この人たちの演技は絶品です。
とりわけ手前の爺さんは、放射能アタックの、あまりの強烈さに、思わず腰が抜けてしまい、その場にへたりこんでしまいます。
このシーンは何度リテイクしたのでしょうか。ジイチャン、お疲れ様でした。
Derren Nesbitt
イギリスのヒール俳優として、世界的に有名なDerren Nesbittが、ノンクレジットで出演しています。
映画デビューが1957で、本作はその2年後なので、まだ端役ですが、荒鷲の要塞に出てくるいやな感じのSS野郎とか、UFOでも悪役専門のベテラン俳優さんです。
子供のころは、ほんとにナチかと思っていましたが、ご本人はイギリスのかたです。
視聴者の神経を逆なでして、胸糞悪くなるまでかき乱してくれるということは、じつはすばらしい俳優さんですね。
筋書きは、SFシネクラシックスさんが詳細です。
このかたのページは、いつも頼りにしています。
放射性同位体
ゴジラや原子怪獣やビヘイモスは、それ自身が放射能を持っています。
西洋ものの最終対抗兵器は、いつも決まって放射性同位体 = Radioisotope で、これを近距離からぶち込むことでモンスターを葬ります。
しかし、なぜ放射性同位体でそうなるのか、安定同位体 = Stable Isotope ではだめなの? という疑問には答えてくれません。
ジャイアント・ウーマン
ジャイアント・ビヘイモスで検索すると、ジャイアント・ウーマンの画像が出てきます。
下記は近年リメイクされたダリル・ハンナ版のAttack of the 50ft. woman.
同じくジャイアント・ビヘイモスで出てきた変な画像。
SF映画のようですが、南米はルチャ・リブレの楽屋裏みたいですね。