オブリビオン M83 Oblivion Soundtrack – M83
魂が洗い流された。
これこそ、真のSF映画だ。
トム・クルーズの今までの業績を全部取っ払っても、
この一作だけで彼の名前は永遠に語り継がれるだろう。
CDを買いたくなるほどすばらしいBGMだった。
リドリー・スコット監督へ改めて問う。
スピルバーグの宇宙戦争とは、なんだったのか?
その疑問には激しく同意するけど、SFは、まだ死んでいないぞ。
タイトルのオブリビオンは忘却。
猿の惑星から容易に想起される流れとして、核戦争と元の文明は忘却の彼方という暗示かと思っていましたが、より強い意味では、フィリップ・K・ディックが繰り返し取り上げている課題、自分自身の記憶を消去された主人公たちの運命を暗示しています。
斬新な映画
この作品は新しい手法で作られている映画といっても過言ではありません。
だだっ広い荒野、鳥瞰カメラ、壮大なBGM。
昔からいるベテラン監督たちは、逆立ちしても対抗できないほどに、映画そのものに対する新しい息吹を感じました。
下見注意
この作品だけは、ご注意ください。
まだ劇場で見ていないかたは、できるだけ予備知識なしでご覧になることをお勧めします。
劇場に行く暇がないかたは、DVDが出るまで、筋書きや下馬評は耳にしないほうが新鮮な感動を得られます。
オルガ・キュリレンコ
この作品の企画段階で、多数の女優さんがオーディションに出てますが、今回はオルガさんで正解でした。
彼女の存在は、地の果ての記憶の彼方で、一粒だけ残った人間性の炎。
他の女優さんではうまく行かなかったでしょう。
1965のドクトル・ジバゴでラーラを演じたジュリー・クリスティと同列のお芝居でした。
キャラクター・アーク
筋書きと初見の感動にかかわるので、キャラクター・アークがなんなのかは、自己責任でお調べください。
メインタイトルの流れをくむお勧めBGM
Tech 49
StarWaves
なにはなくともモーガン・フリーマン
しかし、山賊の親玉は、ちょっと似合わないかも。
BGM集
Andrew Wyethの画像
作中に登場するアンドリュー・ワイエスの作品。秋色の枯れた美学。