
2001: A Space Odyssey
2001年宇宙の旅は1968のアメリカ映画。
映画史上、いや歴史上最も優れた作品の一つ。始まりにオーバチュア(前奏曲)の黒味が入り続くメトロ・コールドウィン・メイヤーから太陽・月面・地球の食で決まるタイトルはまさに神々しい出だし。曰く「これからとんでもないことが起きるから心して括目せよ」と言っているかのようである。
2001年宇宙の旅 2001: A Space Odyssey
nico2 本編
01人類の夜明け
02フォワードフラッシュ
03月面のモノリス
04ジュピターミッション
05ハルの叛乱
06スターゲイト木星と無限のかなたへ
クラークの主題は進化、キューブリックの主張はスキゾフレニア
1968年の作品ながら、現代に至ってもこれ以上の未来的ビジュアルは作り出されていない。
原作は昨今亡くなったアーサー・C・クラーク。現物が出きる以前に人工衛星による通信を唱えていた。
しかしクラークといえばお題は進化なのだが、監督のスタンリー・キューブリックの持ち味スキゾフレニア(精神分裂症) が、さらに拍車をかけて空恐ろしい作品となっている。
キューブリック作品では好んでスキゾフレニアが取り上げられている。
博士の異常な愛情では自国防衛のため安上がりな核兵器を提唱していた博士が精神分裂。
フルメタル・ジャケットでは新入りのダメ二等兵が海兵隊で鍛え上げられ信じられないほどの殺人マシーンに変貌するも精神が分裂して訓練教官を殺害し、自身も自殺する。
ロリータは異常性愛者が最後は自滅の道。シャイニングでは精神的抑圧を持つ小説家がついには精神分裂して家族を追い掛け回す。
さて、この作品では劇中登場するHAL9000という擬似人工知能が精神分裂を起こして搭乗員を一人また一人と殺害していく。その点ではホラー映画の要素もあるのだが、この側面が怖いといわれたことはまったく無い。幾多の危機を乗り越えて木星圏に到達したボーマン船長が目にしたものは・・・・。
TMA・1 = Tycho Magnetic Anomaly・1 = ティコ磁気異常・1
モノリスは2001年シリーズに出てくる立方体のシンボルです。
各辺の比率は1:4:9という自然数の自乗比、誤差は測定限界以下となっていますが、これは最初の三次元だけでは終わっていないそうです。
発見されたのは1999年。月面のティコクレーターの地下12mから掘り出され、太陽光を受けた瞬間に強力な電波を木星のTMA・2および450光年離れた主人に向けて発信しました。TMA・1は、一種の警報装置で、地球の文明が衛星まで到達できたことを魁種族に通知するのが目的だったようです。
Wikiよりモノリス
2001: A Space Odyssey “Star Gate” sequence
スリットスキャンを使ったスターゲイトの遷移シーンを、キューブリックが最初にやったものだから、以降ワープシーンといえば、このような中央焦点消失形式で色彩または光点の爆発と相場が決まってしまいました。実際にはこの星の人間のうち、まだ誰も実行したことが無いので、ホントにこのように見えるのかどうかは分かりません。
SF映画とは猿の出てくる映画である
蛇足だがある知人の説によると、
SF映画とは猿の出てくる映画であるという定理がある。
この2001年の冒頭の猿人然り、猿の惑星しかり、スターウォーズのチューバッカ然り。
Wikiより2001年宇宙の旅
劇的な構造 Dramatic structure
原作者のクラーク博士が言うように、本作は強烈なフォワード・フラッシュを使っています。
類人猿の投げた骨が核弾道衛星に切り替わるところで、原始人から現代までの経過時間は取るに足らないので無視しましょうという表現です。
ボーマン船長がスターゲイトに突入し、サイケな空間を通ってたどり着いた先には、どこの空間なのか、時代はいつなのかまったく判明できない場所で、彼の所定の寿命をまっとうします。これは主人公が異なる世界に投げ込まれるというストーリー・アークという手法を使っています。
最後はボーマン本人が、別のボーマンを観測し、主人公本人が意識の継続なしで、どんどん変異して行ってしまう恐ろしい事態が起こりますが、これをキャラクター・アークといいます。
最近放映されているLOSTやフリンジ、かなり前のSTO、スーパーナチュラルなどは、このストーリー・アーク表現をときどき取り込むことで、いわゆる名作を作り出しています。
参考
Serial (radio and television)
Plot (narrative)
2001の卒倒したBGM
キューブリックは神映画を作るため、ジェルジュ・リゲティの前衛音楽を多用しました。
Gy. Ligeti — Requiem
類人猿がTMA・0と遭遇するときにかかるレクイエム。
György Ligeti: Lux Aeterna
TMA-1探査に向かうため、月面移動中にかかるルクス・エテルナ。
そのあと、月面で人類が、初めてモノリスに接触する場面
György Ligeti, Aventures
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Wow! Great to find a post knocikng my socks off!
There are people like a TMA-0 monkey in the neighborhood!!