
リベリオン Equilibrium 2002
リベリオンは、2002のSFガンアクション映画。
放映後、一ヶ月で打ち切りになったものの、あとから多数のファンがついてカルト映画に大化けした作品です。
未来の管理社会では戦争による滅亡を防ぐため、精神安定剤の常用が義務付けられています。また精神を高揚させる絵画・音楽・小説などの芸術は禁制品となっています。しかしおきて破りを行う不行き届き者が発生するので、これを処罰するため機動部隊が整えられ、その最高技量を持つ戦闘員がクリスチャン・ベイル演じるところのクラリックです。
ガンカタ
見所のひとはガンカタ = Gun fu と呼ばれるCQCで、
数十発の装填が可能な拳銃を両手に持ち、敵中にて統計的に被弾確率の低いところに移動しながら攻撃を継続するという理論で完成されたガンカタ(銃型)は、本当にありそうで納得できます。
通常、てっぽうを持っている敵を相手にすると、遠いところから狙撃するのが一番安全ですが、本作では単数・複数にかかわらず、積極的に敵陣地内部に移動していきます。
その際にガンカタを使い、自分は一発も食らわずに、終わったときには死体の山が出来上がっています。おそろしいですね。
もともとヒーローは、なぜケガをしないのか? という発想から出た作品らしく、マンガ物理学に登場するストーム・トルーパー効果の相関式を映画の中で立証するための思考実験です。
また、正義の味方と悪役が二人して突っ立ったまま銃を向け合うという、間抜けなメキシカン・スタンドオフを防ぐための手立てとしても使われています。
すこし後に出たキック・アスでは、小学生の女の子が、すばしっこい動きでコミカルなガンカタを披露しています。
原題はEquilibrium
原題はリベリオン = 反逆者ではなくて、イクイップリューム = 精神安定剤配布局です。
本題は自由意志の束縛で、グラマトン党とよばれる体制側が支配している世界から始まります。
精神安定剤を常用することで、人々の心から争いをなくした理想の平和世界が描かれますが、そのなかにも人間性を取り戻すために疑問を持つ自由意志陣営が現れます。
グラマトン党は、民衆の離脱を防ぐためにクラリックと呼ばれる特別捜査官を養成して、テロリストに位置づけられた反体制組織をバッタバッタとなぎ倒していきます。
元ネタはブラッドベリ
基本はアクション物なのですが、筋書きから察するに、ジョン・クリストファーのトリポッドとか、レイ・ブラッドベリの華氏451度の焚書シーン、またはジョージ・オーウェルの1984をなど、完全管理社会をベースにした全体主義的思想統制下における嫌な抑圧感が漂ってます。
ほぼ同時期に出たイーオン・フラックスも、同様の未来暗黒社会を描いていましたが、赤狩りでも横行していない限りは、少し同調しにくい作品かもしれません。
ウルトラヴァイオレット
姉妹作はウルトラヴァイオレットで、ミラ・ジョヴォヴィッチがガンカタしてますが、ゾンビは出てきません。
面白いのは二作ともウィリアム・フィクナーが出ていて、ほぼ同じ立ち位置です。
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