
スペース・サタン Saturn 3 1980
第1回ゴールデンラズベリー賞ノミネート作品。受賞は免れました。
サターン3は、ファイナル・カウントダウンのカーク・ダグラスとファラ・フォーセットが競演した1980年の妙なSF映画。
ハーヴェイ・カイテルが出ているものの、なんだかよく分かりません。
当時から駄作と評されていたので記憶も定かではなくなり、再度見てみました。覚えていたのはファラー・フォーセット(以下FF)がベッドで子供のように飛び跳ねているようなシーンばかりでタネとしては当時出始めの原始的なCGで土星のリングを再現する映像・・・今見るとアーケードゲームのようなものだけです。
主演のカーク・ダグラスと当時絶頂の人気を誇ったFFはいいとして、もう一人の主人公、若き日のハーベイ・カイテルはU571の曹長またはリトル・ニッキーのサタン・・・・スペース・サタンはこの人のことか? でこの映画の内容はいまだに良く理解できないのですが・・・・。
しかし改めてよく見てみると当時勃発していたSFホラー映画のごった煮だということが良く分かってきます。流用されているネタは最初スターウォーズ・中間はエイリアン、基地外から内部に入るときに行う防疫処置はアンドロメダ細菌株からのインスパイアー。
そもそも舞台となる人間によって設営された基地内部がエイリアンの巣のような印象で薄気味悪いです。で追っかけてくるヘクターという名のロボットはターミネーターのしつこさを併せ持つ単品のエイリアンです。ただし本作は80年のものなので79年のエイリアンによる影響はモニターにデータが表示されるサウンドエフェクトを初めとして随所に現れていますが、84年のターミネーターには逆に影響を与えている立場となります。お約束の自爆装置による解除不能な大爆発に相当するところがとてもショボイのですが、本家のエイリアンではPart4で初めてお目見えした地球の姿がすでにこの作品には表れています。ただカタルシスが足りません。
出てくるメカのデザインがどうもギャグに近く、ロボットと定義される複数の機械もいまだに8ビットのマシン語で制御されている工業用工作機械のような匂いが漂っています。
ただロボットヘクターとハーベイ・カイテルの和解と称する重合体は一応ホラー色をかもし出すための演出でしょうが、SFでは異種の生物を混合させたストラクチャー(構造体)として良く現れるお題なのであるていど先見の明は見せてます。
この作品を最後にFFとカーク・ダグラスはあんまり見なくなりました。
FFについては元は600万ドルの男リー・メージャーズの奥さんで当時大人気を誇った女優さんです。
ちなみにリー・メージャーズのほうは最近スピードマンにスワット部隊の隊長役として出演しています。
日本国内ではたいそうなSFが来たと話題になった作品なのですが、実質はかなり手の込んだB級作品です。
トップ50セクシーなSF映画の衣装
しかしながら、ファラー・フォーセットさんの衣装は当時のSFファッションを反映しており、ファンの間では、今も人気となっています。