COSMOS コスモス

Carl Sagan: Cosmos 2 - Uma Voz na Sinfonia Cósmica (Dublado em Português)

第二夜 One Voice in the Cosmic Fugue 宇宙の音楽

第二夜は生物の発生と進化のお話です。

宇宙を旅するセーガン博士の船は、いろいろな銀河を彷徨いますが、そこでひとつの疑問がわきます。
題して、"The Search for Who we are?"
「われわれは、どこからきたのか?」

セーガン博士がまだ学部の学生をしていたときに、遺伝学者のハーマン・J・マラー博士の研究室で働いていたことがあり、著書には遺伝・進化関連の作品が多数あります。

ハーマン・J・マラー博士の業績は多数あり、ノーベル章も受賞していますが、一般庶民に一番身近なものとして、テロメアの定義があげられます。人間は、なぜ不死身ではないのか。細胞分裂回数に、ヘイフリック限界というものがあり、有限回数しか分裂できないという現象を突き止めることに貢献しています。ちなみにこの現象が分かったのは1961年なので、ユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリンによる人類初の宇宙飛行と同じ年ですね。

平家蟹と人為淘汰

1185年4月25日に起きた、壇ノ浦の戦いから、平家蟹を例題に、Natural selection = 自然淘汰の逆、Artificial selection = 人為淘汰を取り上げています。
登場する小さな子供は当時八歳の第81代安徳天皇、そばに居る尼さんは、二位尼と称される平時子で、平清盛の奥さんにして、安徳天皇のおばあちゃん。源氏の軍勢がすぐそこに迫り、最期を悟った二位尼が幼い安徳天皇とともに海に身を投じるところです。

われわれは、どこからきたのか?

それで、われわれは、どこからきたのか?というと、月の裏側とか宇宙の彼方といいたいところですが、たまたま水溜りの中から沸いてきたそうです。ただ、最初の単細胞生物のDNAができた程度なので、あんまり恥ずかしくもないですがね。
酔っ払って横になったまま水溜りの中で目が覚めた、という経験がある方は、そのときの本能が残っているのでしょう。

このクリップでは宇宙カレンダーを使い、ビッグバンから続く宇宙の、いつごろに生物が発生したのかというお話が出てきます。絶え間ない時間の流れと試行錯誤の繰り返しで、今の生物相ができたということです。

線画による生物の進化過程

バクテリアとかアメーバの時代が長く続き、陸に上がる4つ足が出てくるのは、その次です。
鳥は恐竜の唯一の生き残りだそうです。

キューガーデン = Royal Botanic Gardens, Kew

ここに出てくるキューガーデン = Royal Botanic Gardens, Kew = 植物園、はトリフィドの日にも出てきました。
宇宙から流星に乗って地球に居ついたというトリフィドが、守衛の爺さんを襲うという恐ろしい作品です。

DNA = デオキシリボ核酸

生物ならみんな持っているDNA = デオキシリボ核酸の解説。細胞核の中心に入っている生物の設計図で、これを元図にしてすべての組織が作られています。
二重螺旋構造の中に含まれる分子数は、典型的な銀河系の星の数と同じ程度です。(2000億個ていどだってか)
そして細胞分裂するときには、二つに分かれて分身の術を使います。

木星の架空の生物シンカー、フローター、ハンター

それではここで、生物を作ってみましょうという実験です。セーガン博士が講義をしているコーネル大学の同僚の生物学博士にたのんで、フラスコの中から妙な生き物を作り出そうとしているところです。

といっても、液体の中からフランケンシュタインが出てくるわけではなく、実演しているのはユーリー-ミラーの実験です。

Wikiより生命の起源

白衣の先生が不審な挙動で、いちいち芝居がかっており、全編でいちばん怪しげなシーンです。
生物を作るために必要な材料は木星にもあるので、仮に生物がいたとしたら、地球のものとはまるで違うでしょう。
下降気流に沿って沈んでいくシンカー、気球のように体を膨らませて漂っていく都市サイズの大物、フローター、そしてそれらを食料にするハンターなどが考えられます。

放送から10年後、最新情報で書き換えたCOSMOS UPDATEが最後についています。

コンタクト CONTACT

他世界との接触をテーマに書かれたセーガン博士のコンタクト。
それを映画化したコンタクトの中から、もっともエキサイティングなシーン。

電波天文学者のエレノア・アロウェイが、宇宙人からの通信をキャッチした瞬間。
ノートパソコンから発行するコマンド一発でVLAがいっせいに向きを変えるところがものすごい。

セーガン博士が著書で顕わしたように、他世界文明からの接触は、まずプライムナンバー = 素数のやり取りから始まるという状況は定番となってしまいました。自国言語で交信しようとすれば、互いに違いすぎ、意思交換達成までの時間は気が遠くなるのですが、数学だけは全宇宙で唯一共通の言語なのでまず間違いないという想定からの結論です。

しかしここで宇宙人に期待する最初の通信は、布団がふっんだとかトラに取られたなどのギャグを飛ばしてきてほしいものですね。こちらも負けずにガチョーンなどと返信すると、あまりに寒いので、それっきり音沙汰がなくなったりして。